濃厚なのに後味はかるい。ガトーショコラの新たなおいしさ
最終更新日:2023.3.8
画家が美しさの秘密を解き明かそうと色彩や構図の法則性を探るように、料理人はおいしさがどうして生まれるのかを研究しつづけている。みんなから愛されているおいしい定番デザートたちを、そんな作り手の目線から眺めてみたら何が見えるのだろうか。
この連載ではフランスの星つきレストランで修行を積んだMr. CHEESECAKEシェフ田村が、シェフの目線で「おいしい」の要素を分解し、その秘密にせまります。
第6回目はガトーショコラです。
さらなるおいしさを追求したい。理想のガトーショコラとは?
まるでチョコレートそのものを口に含んだかのように濃厚にとろけ、その上ケーキとしての魅力も兼ね備えているガトーショコラ。
そんなガトーショコラの魅力を、シェフ田村はどのように考えているのでしょうか。
田村
「ケーキでありながらカカオの濃い味わいを楽しめるのは、ガトーショコラならではの良さだと思います。
ただ後味をもっとかるくしたら、新しいおいしさに出合えるのではないだろうかというアイデアが浮かんだんです。
僕の理想は、濃厚でありながら口の中ですっと消えてゆくガトーショコラでした」
鍵はイタリアンメレンゲ。口の中でとろけて消える、新しいおいしさ
おやつの時間にガトーショコラを食べたらお腹がいっぱいになってしまった、なんて経験をみなさんもお持ちではないでしょうか。
そのどっしりとした重たさがもたらす満足感も魅力のひとつではありますが、そうではないガトーショコラも、味わってみたいと思いませんか?
田村
「僕のレシピでは、チョコレートの他にカカオパウダーを入れることでカカオの香りをより高めています。焦がしバターを加えているのもポイント。カカオとバターの香ばしい余韻が、口の中に長く残ります。ただチョコレートやバターなどの油脂分が多くなると、必然的に濃厚な味わいになるんです。濃厚な味わいはおいしいですが、その分口の中に残りやすく、時に食べ疲れにつながることもあります。
チョコレートの濃厚さを残しつつ、どうやったらさっぱりとした後味に仕上がるのか。考えた末に、イタリアンメレンゲに行きつきました」
フレンチ風のメレンゲは、卵白に砂糖を加えて作ったものです。こちらは家でお菓子を作ったことがある方であれば、馴染みがあるかもしれません。
一方イタリアンメレンゲは、メレンゲに117℃に熱したシロップを入れたもの。フレンチ風のメレンゲよりも水分の量が多いのが特徴です。
田村
「メレンゲは油に弱いので、チョコレートに合わせるとすぐに消えてしまいます。けれどもイタリアンメレンゲの場合はキメの細かい気泡がシロップに包まれているから消えにくく、水分の量もバターとチョコレートだけで作るガトーショコラよりも多くなります。
それがなめらかさの秘密。
イタリアンメレンゲを使うと焼き上がりがしっとりとし、口に含んだあとのすっと溶けるような食感につながります。
みなさんガトーショコラを噛んで食べると思いますが、このレシピで作ると舌で潰せるくらいなめらかなケーキになるんですよ」
チョコレートならではの濃厚な味わいは残しつつ、けれども負担がなく、かるい口溶けのガトーショコラ。
おやつはもちろんのこと、夕食のあとに味わうのにもきっと相応しいはずです。
今回このガトーショコラがTam Lab.の第2弾として登場!11/20(日)・21(月)に販売いたします。ぜひ味わってみてくださいね。
gateau au chocolat
チョコレート本来の味わいを楽しめる濃厚なガトーショコラ。ねっとりとしているのに、スッと溶けるエアリーな食感を楽しめます。Mr. CHEESECAKEのオリジナル保冷バッグに入れてお届けします。
・解凍方法
冷蔵庫で1.5時間ほど解凍してからお楽しみください。お召し上がりいただく前に、常温に置いておくとより滑らかな食感を楽しめます。
*半解凍でもおいしくお召し上がりいただけます
*解凍後は冷蔵庫で保管し、お早めにお召し上がりください
フランスの星つきレストランで修行を積んだMr. CHEESECAKEシェフ田村が、シェフの目線で「おいしい」の要素を分解し、その秘密にせまる連載「おいしいを分解してみると。」
Vol.5 目指したのはキャラメルのようなしっとりさ。焼き菓子のおいしさを追求したフィナンシェ
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