忘れられない感動をお客さまに。キッチンリーダーが大切にする「ちいさな改善」「おおきな目標」
「Mr. CHEESECAKEの想いや、まつわる人、事を伝えたい」
——そんな思いではじめた、Mr. CHEESECAKE JOURNAL。
この「私とミスチと。」でお伝えしたいのは、人。Mr. CHEESECAKEに深く関わり、支えてくださるみなさんの想いやこだわりをご紹介します。
今回はキッチンリーダーの宗崎衣代さん(そうざき・きぬよ)、通称おきぬさんに話を聞きました。
もともとは和菓子の道に進みたいと考え、専門学校の職員としてキャリアを重ねたおきぬさん。SNSで代表の田村浩二の考え方に触れ、さらにMr. CHEESECAKEで得た「体験」に心奪われ、入社を決意します。
「精神的にも体力的にもタフ」「周りをよく見ていて、気持ちを汲み取る力も高い」と田村やビジネスサイドのメンバーからも厚い信頼を得ているおきぬさんですが、「リーダーだけど、ほかのメンバーと比べてケーキ作りが得意な方ではない」と笑います。そんな彼女は、どのような思いでMr. CHEESECAKEのキッチンを率いているのでしょうか。
どこまでもまっすぐな、おきぬさんの言葉。ぜひお読みください。
手に取った瞬間、感動するものをつくる
代表でありシェフでもあるタムさん(田村浩二)が生み出した最高のチーズケーキを、ひとりでも多くの方にお届けする。そのために実際に手を動かしているのが、わたしたちキッチンメンバーです。
クオリティは安定しているか、焼きは美しいか、型紙にシワは寄っていないか——。Mr. CHEESECAKEを食べるときだけでなく、受けとった瞬間から最高の体験をお届けするため、製造から梱包までひとつひとつ、こころを込めて手作業で行なっています。
キッチンリーダーであるわたしからみんなに伝えている基準は、「大切な人にあげたいものになっているか」「それを手に取ったときうれしくなるか」。
じつはわたし、はじめてMr. CHEESECAKEが届いたときの気持ちがずっと忘れられないんです。まだ販売開始後すぐに売り切れてしまう時期で、1回目は争奪戦に負け(笑)、2回目のトライでようやく買えました。
いざ届いて、どきどきしながら箱を開けたらほのかに甘い香りがして、食べ方が描かれたカードが乗っていて、その下には端正なケーキが鎮座していて……。
すべてがていねいにつくられていて、心の底から感動しました。ぴしっとケーキを包んでいる型紙をはがしながら、「これも手作業なんてすごい……!」って。ひと口食べたらおいしさのとりこになりましたが(笑)、箱を開けていくときの高揚もすごかったんです。
あのときわたしが抱いた感動とおどろきを、お客さまにも感じてほしい。ですから、おいしいチーズケーキをつくるのはもちろんのこと、型紙や箱などの資材の検品も、完成したケーキを箱に入れるプロセスも、キッチンチームのとても大切な仕事です。
きっとキッチンメンバーも、Mr. CHEESECAKEから最高の体験を得たからこそ、いまここで働いているはず。自分がはじめて食べたときの気持ちを忘れずにいよう、常にお客さまのことを想像しようと伝えています。
チーズケーキもつくり方も、「もっとよくする」
わたしがリーダーになってからとくに意識しているのが、「もっと」の姿勢。「もっとおいしく」「もっと効率よく」つくるための改善点を見つけ、解決していくことです。
タムさんのレシピをもとに、温度管理や焼成時間など、滑らかさや生地の焼き上がり、色などに影響するディティールの部分を最終的に調整するのがわたしたちキッチンの役割です。「こうしたらもっとおいしくなるかも」と思ったら、みんなでアイデアを出しあい、試してみる。この改善に対しては、タムさんにも信頼してもらっていると思います。
また、作業の効率化も大切なポイントです。作業が間延びすることで残業代(人件費)がかさみ、いずれケーキの単価に影響を及ぼすかもしれません。効率化は会社のためだけでなく、お客さまに還元することにもつながるんです。
(もちろん、おいしさのために必要なプロセスは絶対に、しっかり、何があっても守ります!)
こうして「もっと」を重ねるためには、遠慮せずに意見を言えるチームでなければなりません。ですから、心がけているのは目線を合わせたコミュニケーション。決まったことを上から押しつけるのではなく、課題から共有する。「絶対的なリーダー」ではなく、フラットな関係を築いて併走していきたいと考えています。
……とはいえ、わたしが促さずとも現状に甘えず、「もっと」を考えて動いてくれるメンバーばかり。いつも、助けてもらっています。
ケーキづくりが上手なわけではないけれど。
わたしはもともと、製菓の専門学校で和菓子の技術職員(実習での技術指導・講習アシスタントなど)を務め、のちに広報として高校生たちに入学案内をしていました。成長する学生を見るのも、目をきらきらさせている高校生と触れあうのも、やりがいがありましたね。
ただ……製菓ってとてもきびしい世界なんです。卒業後、期待に満ちあふれて業界に入っても、過酷な労働環境でつらい思いをしてしまう子たちもいて。そういう姿を見ているうちに、胸を張って「いい仕事だよ」と背中を押してあげることができなくなってしまったんです。
そんなとき、ツイッターでタムさんの存在を知りました。おいしいものを生み出すだけでなく業界のはたらき方に問題提起されているのを見て、すごい人がいるんだな、と活動を追いかけるようになったんです。
そのしばらく後、Mr. CHEESECAKEを食べてみたら深く感動して、転職を決意します。このおいしいケーキをつくる技術を学びたいし、たくさんの人に届けたいな、と。
その後リーダーに指名してもらったのですが、わたしはもともと製菓専門学校で和菓子の技術職員と広報をしていた人間。長らく現場を離れていたこともあり、リーダーといってもケーキづくりがすごく上手なわけではありません。
でも、そこに負い目があるかというと、まったくそんなこともなく(笑)。それは、よりよい組織にすること、メンバーにやりがいを持ってもらうこと、「やりたい」を叶えることが自分の仕事だと思っているからです。
わたし、ここを「チーズケーキをつくりさえすればいい職場」にしたくないんです。個々人の目標を達成でき、これを身につけたぞって自信を持てる職場にしたいと思っていて。
そのひとつとして、せっかくタムさんとはたらいているんだから、味や香りへの知見をみんなが吸収できる場にできたら……とさまざまな社内プロジェクトを企んでいます。あたらしいフレーバーのレシピを考えてタムさんに講評してもらう、タムさんのこだわりを聞きながら過去のフレーバーを一緒につくる、といった勉強会を開いてみたり。
もちろん製造に限らず、たとえば通常業務の中でスケジューリング能力を身につける、でもかまいません。とにかくMr. CHEESECAKEをはたらく場に選んでくれてみんなに、「来てよかった」と思ってもらえるようにしたいなと考えています。
キッチンリーダーとして目指すもの
さきほど業界のはたらき方について少し触れましたが、ほんとうにはたらきやすい職場だと実感しています。この業界でもホワイトな労働環境が実現できるということを目の当たりにできたし、そんな組織をつくってくれたタムさんやビジネスサイドのメンバーには感謝でいっぱいですね。
この現状に甘んじず、もっともっといい環境を目指して持続可能な組織をつくるのも、リーダーとしてのおおきな目標です。
それと、お客さまに対しても、「こうなりたいな」って姿があって。
いまはお祝いごとなどポジティブなシーンで食べていただくことが多いMr. CHEESECAKEですが、ハレの日だけじゃなく、疲れたときや悲しいことがあったときにも寄り添えるケーキになれたら素敵だなと思っています。それって、冷凍庫に入れておけるケーキだからこそ、できることでもあるんですよね。
みなさんの、「癒やし」や「支え」の存在になることも目指しつつ。今日も明日も、ちいさな改善を積み重ねていきたいと思います。
宗崎衣代profile
キッチンリーダー
高知県高知市生まれ。関西の専門学校で製菓について学び、卒業後は同専門学校の和菓子技術職員として5年間、入学広報職員として3年間勤務。2020年よりMr. CHEESECAKEに入職し、現在キッチンリーダーとして勤務中。
(取材・執筆:田中裕子)
Mr. CHEESECAKEに深く関わり、支えてくださるメンバーの想いやこだわりをご紹介する連載「私とミスチと。」
Vol.6 自分たちの思いを「伝えきる」。 Mr. CHEESECAKEのプロジェクトマネジャーの覚悟
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