たたら成形で作り出す、土の表情を生かした軽やかな陶芸
2022/8/27（土）と28（日）の2日間、代官山にて「Exhibition 質感に触れる presented by Mr. CHEESECAKE」を開催いたします。
Mr. CHEESECAKEは、これまでケーキとともに過ごす時間が少しでも記憶に残るものになるよう、味としてのおいしさの追求だけではなく、食体験そのもののアップデートを目指してきました。
本イベントでは「質感に触れる」をテーマに、Mr. CHEESECAKEのクラフトマンシップなものづくりの精神ともリンクする作家・ブランドを中心にセレクトし、「質感」にこだわった作品を展示販売いたします。
今回はイベントに参加してくださっている作家たちの、制作への想いや、作品をご紹介します。
最後は窯に任せる。人の手だけでは作り出せない良さを感じて
なんとも言えない揺らぎが詩的な佇まいを作り出している、陶芸作品たち。作り手の故金（かるがね）さんは大学で陶芸を学んだあと、多治見にて制作をつづけています。
故金さんが多治見で出会ったのが、「たたら成形」という技法だったそう。たたら成形とは土の塊を4㎜厚程にスライスし、できあがった「たたら板」を雌型の石膏型に押し当てて形を作ります。
ろくろで作る陶芸作品も美しいですが、故金さんはこのたたら成形だからこそできる作品に、面白さを見出しているそうです。
故金さん
「ろくろだと整った形が作れます。けれど私は作り込み過ぎていない形を目指したいなと思いました。そこでたたら成形を選ぶようになったんです。
作品を作るときに土を継ぎ足して行くと、ひびや割れ目も出てきます。そうすると継ぎ目に釉薬が溜まって表情ができたり、乾燥していく過程や焼くときに形が少し歪んだりします。その微妙な歪みこそを、私は美しいと感じますね。
窯で焼くのも大切な作業です。人の手で作ったものではありますが、最後は窯に任せ、窯が仕上げてくれる。
絵画や彫刻は最後まで自分の力で仕上げるものかもしれませんが、こうやって自分の力ではどうにもならないものに委ねて生まれる味わいは、土という素材をもとに発想し作品を作っていく陶芸の楽しさであり、重要な要素だと感じています」
自然の風景のように、さまざまな色が混じり合ったプレート
今回の展示のために故金さんが用意してくださったのは、チーズケーキを載せるのにぴったりな15センチと18センチのプレートです。このお皿もまた、たたら成形で作られたもの。
故金さん
「均一な厚さでひろがっていっている軽やかな形は、型を使用した、たたら成形ならではのものです。
釉薬の色は空や夕日、木々など、多治見の自然の中で見たものや感じたものからインスピレーションを受けて選びました。
自然の中のものは青でも緑でも、よく見るとさまざまな色が混じり合ってできています。なのでこのプレートも4色ほどを混ぜ合わせて、微妙な色彩を作りだしているんです」
お皿をまじまじとよく見ると、最初の印象とは違った繊細な色が目に飛び込んできます。その瞬間きっと、まるで黄色や紅が混じりあう紅葉した葉を手にとったときのように、瑞々しい感性が呼び覚まされるのを感じるはず。
自然とハーモニーを奏でるように作りだされた、故金さんの陶芸作品たち。ぜひみなさまも手にとって眺めて見てください。
故金あかりprofile
1995年岐阜県生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科にて陶磁を専攻。武蔵野美術大学を卒業後、多治見市陶磁器意匠研究所で3年間学び、今年3月卒業。現在、岐阜県多治見市に工房を構え、陶芸作家として活動する。
Exhibition 質感に触れる presented by Mr. CHEESECAKE
・開催日
8月27日（土）・28日（日）
・営業時間
11:00 - 19:00（最終入場18:30）
・場所
東京都渋谷区恵比寿西1-35-3
東急東横線 代官山駅から徒歩1分
山手線・日比谷線 恵比寿駅 徒歩10分
https://www.instabase.jp/space/543228074
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