
Mr. CHEESECAKE×クルミッ子のコラボレーションが再び実現!「ミスチ クルミッ子」に込めた鎌倉紅谷のこだわりと想い【前編】
昨年大好評いただいた、コラボレーション「Mr. CHEESECAKE×クルミッ子」が今年も実現しました。
今年は、まるでクルミッ子をMr. CHEESECAKEで包んだようなチーズケーキ「Mr. CHEESECAKE クルミッ子」をはじめ、Mr. CHEESECAKEを表現したクルミッ子「ミスチ クルミッ子 8個入」が新登場!他にも、さまざまな商品が登場し、このコラボレーションを盛り上げます。
昨年は「Mr. CHEESECAKE クルミッ子」について、ご紹介させていただきました。
Mr. CHEESECAKE×クルミッ子のコラボレーションが実現!まるでクルミッ子をMr. CHEESECAKEで包んだようなフレーバーができるまで。
今回は、Mr. CHEESECAKEシェフの田村浩二と共に、株式会社鎌倉紅谷の代表取締役 有井宏太郎さまと、グランシェフ 河口幸宏さまから「クルミッ子」誕生のきっかけや、商品開発にかける想いを伺いました。
「クルミッ子」誕生のきっかけはバター生地の再利用
鎌倉紅谷の1番人気商品、クルミッ子。自家製キャラメルにクルミをぎっしり詰め込んで、バター生地で挟んだ焼菓子は、そのおいしさから今もなお、多くの人から愛されています。
田村
『クルミッ子を初めて食べたときに、神奈川県出身の私は「地元にこんなにおいしいお菓子があるんだ」と感動したのを覚えています。クルミッ子は、スイスの伝統菓子をヒントに生まれたんですよね?』
有井さま
『鎌倉紅谷は鎌倉で創業し、昨年70周年を迎えたお菓子ブランドです。お菓子をただ「作る」のではなく「“おいしい”の先にある気持ちを一番大切にする」を経営ビジョンに掲げ、お菓子による「食の感動体験」をお客さまにお届けすることを使命と考えています。
「クルミッ子」は誕生から40年ほどとなり、スイス・エンガディン地方の郷土菓子「エンガディナー」にヒント・着想を得て2代目が開発したお菓子です。
誕生のきっかけは創業当時からある「大いちょうサブレー(現 鎌倉だより プレーン)」のバター生地を型抜きした際に、余ったバター生地を活かし、材料廃棄を少しでもなくすためでした。当時工場の近くで2代目がよく見かけたという鎌倉のリスたちの姿からもクルミを使ったお菓子エンガディナーをイメージしたようです。
バターや卵をふんだんに使った生地と、それにサンドされた濃厚なキャラメル、そしてザクザクのクルミ。リスくんの印象的で可愛らしいロゴと、その小さなサイズの中にギュッと凝縮された「おいしさ」が特徴です。』
田村
『一般的なエンガディナーは外側の生地が分厚く、生地の中から感じるキャラメルの香ばしさが特徴です。一方、クルミッ子はもともと「大いちょうサブレー(現 鎌倉だより プレーン)」の生地から誕生していることもあり、生地の厚さも薄くやわらかく、和菓子のような風味や甘味を感じられます。そして、中に入っているキャラメルもやわらかいため、クルミの食感がきちんと感じられてとてもバランスが良いんです。
エンガディナーは、あくまでもケーキの生地がメインでその中にクルミがいるというのが主流なのに比べて、(あくまでも私の推測に過ぎませんが)クルミッ子は生地ではなくクルミを楽しむための形状に調整されているような印象を受け、それがこのおいしさに繋がっていると感じました。』
理念、伝統、文化。そしてお客さまに喜ばれるものを
多くの人へ幸せを運ぶ、鎌倉紅谷のお菓子たち。10年前、そんな鎌倉紅谷にとって、とても大事な出会いがありました。
それが、 「ミスチ クルミッ子 8個入」を手がけたグランシェフ 河口さまとの出会いだそうです。
有井さま
『河口が入社してくれた10年前当時までは、「鎌倉だより」「あじさい」「クルミッ子」の製造に追われてばかりの日々を過ごしており、私が入社した以降は、開発どころかそれまで細々と作り続けていたその他の商品を少しずつ整理し、製造を終了させていかざるを得ませんでした。
製造スペースの問題、人手の問題などを考えれば致し方のない決断ではあったのですが、自分に世代交代してブランドリニューアルこそしたものの、新商品を開発するどころか、小規模ながらも愛されていた商品たちの製造を終了させていくのは、仕方がないことと分かっていてもとても悔しく辛い決断でありました。
そんな中、10年前に河口と出会い、ようやくお菓子屋としての未来を描けるような新たな開発の希望が見え、それまで溜まっていた「本当はこんなことがしたかった!」という想いを、副社長と共に彼に伝え、語り合い、考え合うようになりました。
そこでやはり大切にしなくてはいけなかったのは、鎌倉紅谷のお菓子屋さんとしての「理念」です。父や祖父がお菓子に注いだ職人魂と言ってもいいかも知れません。今まで既存の商品たちに注いできたこうした理念や愛情を、同じだけ新商品開発にも傾けていたい。
何よりもこれらを大切にしていますし、誰よりも理解し、大切にして開発に臨んでくれている河口には感謝しかありません。そして、その河口の腕前が存分に発揮されるコラボの機会を与えてくださったMr. CHEESECAKEさまにも心から感謝しています。』
これまで多くの商品を開発されてきた河口さま。 グランシェフとして、これまで大切にしていることをお伺いしました。
河口さま
『商品を開発する上で、鎌倉紅谷がこれまでに築いてきた伝統や文化、技術を重んじつつもそれに縛られない新たな製法や発想でお客さまの身近にありながらも贅沢感や満足感をご提供できる商品開発を心がけています。』
田村
『70年に渡り築かれてきた伝統や文化、そこへさまざまな視点からの新しさを加え、お客さまにお届けする鎌倉紅谷さまの姿勢は、Mr. CHEESECAKEも学ばさせていただくことが大変多かったです。
Mr. CHEESECAKEは今年で創業8年目を迎えたのですが、昨年70周年を迎えられ、約10倍も重ねてきた歳月が異なる鎌倉紅谷さまから見た、Mr. CHEESECAKEの印象をお伺いできますか。』
河口さま
『お客さまが食べたいものを提供するのではなく、お客さまが心のどこかで食べたいと思っているものを発見させ、そして確信させるような商品提案をされているブランドだと思います。
Mr. CHEESECAKE Classicを初めて食べたとき、“これはチーズケーキではない!”と思ったのが第一印象でした。製法上はオーブンで焼成はしているが、ベイクドではなく、蒸し焼きのスフレでもなくレアチーズケーキでもない。まさに唯一無二のトーキョーチーズケーキだと思いました。
そのチーズケーキがクルミッ子との融合で、新たな食感と味が加わり“こうもクルミッ子の要素を上手く使うのか!?”とクルミッ子を作る側の人間からして嫉妬してしまうほどでした。』
田村
『昨年末、河口さまがMr. CHEESECAKEの味わいを再現したチョコレートを作ってきてくださったことがありました。
そのチョコレートを口に含み、噛んだ瞬間、バニラやトンカ豆の香りがぶわっと広がり、チョコレートではありながらも、味わいはMr. CHEESECAKEそのもの。あまりにもおいしくて、Mr. CHEESECAKEの味わいの再現性の高さ、そして完成度の高さにとても驚いたのを覚えています。』
有井さま
『Mr. CHEESECAKEさまのチーズケーキを初めていただいた時のことですが、今まで体感したことのないような口溶け、食感に感動したのと共に、心もとろけていった、まさに「食の感動体験」であり「特別な時間」であったことを覚えています。
河口と同じように、「これがチーズケーキなのか!」とも思いましたが、それはつまり「チーズケーキへの固定概念」さえもとろけ去った瞬間でした。
そのMr. CHEESECAKEさまを手掛ける田村シェフが最初のミーティングの際に持って来てくださった試作品が既に完成し過ぎており、そこからさらにブラッシュアップを重ねて出来上がった「Mr. CHEESECAKE クルミッ子」は両者の魅力とおいしさを最大限に発揮させつつも、今まで世の中になかった新たな「食の感動体験」を与えてくれると感じました。
こんなにも感動的なおいしさに仕上げてくださった田村シェフとMr. CHEESECAKEさまには本当に感謝しています。
ケーキにもブランドにも共通して感じられるのが、その「シンプルさ」だと思います。余計な情報が介在しないミニマルなデザインや佇まいが、《Mr. CHEESECAKE》に向き合う体験と時間への没入感を際立たせてくれているように感じます。
そしてこの「シンプルさ」の影には、実はとてつもない開発への労力、田村シェフの複雑な試行錯誤が隠れていると感じずにはいられません。
モノづくりにおいて「シンプルさ」の探求ほど奥の深いものはないのではないかと思います。足し算型で「あれもやりたい」「これも見せたい」では最終的にごちゃごちゃとし過ぎて伝えるべき本質から遠のいてしまいますし、引き算型も情報がなさ過ぎては伝えたいことが伝わりません。
この足し引きが絶妙にバランスされているからこそ「伝える必要のないものが完璧に取り除かれ切った、おいしさの本質だけ」が優しく、力強く、何にも邪魔されることなく沁み込んできます。
「凝ったものをシンプルに見せること」がいかに大変で、大切であるかをいつも学ばせていただいております。』
後半では、初登場「ミスチ クルミッ子」の開発の裏側などをご紹介します。
Mr. CHEESECAKE×クルミッ子のコラボレーションが再び実現!「ミスチ クルミッ子」に込めた鎌倉紅谷のこだわりと想い【後編】