JOURNAL

2020/06/21

Vol.3 Mr. CHEESECAKEを際立たせる。「美しい」と「おいしそう」を両立させるフードスタイリングの力


ただおいしそうなだけじゃない。

ミニマルで、でもたしかに「ひと」がいて、あたたかい。

そんなMr. CHEESECAKEのビジュアルの制作における主役のひとりが、

フードスタイリストの木村さんです。

リニューアル以降、シーズナルフレーバーやJOURNALの連載「フルーツと香り。」など、

Mr. CHEESECAKEにまつわるすべてのスタイリングを担当されています。

 

「どう見せるか」を担うフードスタイリストは、

食のシーンを撮影するうえでは欠かせない存在です。

SNSも、自身のサイトもないのに本や雑誌に引っ張りだこ。

田村浩二が全幅の信頼を寄せ、「職人」と呼ぶ木村さんに、

Mr. CHEESECAKEのスタイリングについてお話をうかがいました。

 

 

 

「見栄えをよくする」だけではない

どんなお皿や小物を使うか、どんなふうに盛りつけるか、どこから撮影するか——「1枚の画(え)」で魅力を伝えるために、空間からお皿の中までのすべてを演出するよう心がけています。

フードスタイリストというと、ただ見栄えをよくするだけの仕事に思われることもあります。でも、わたしがスタイリストとしてまず大切にしているのが「作り手/ブランドらしさ」を表現すること。だから、どの仕事も徹底的に「調べる」ところからスタートするんです。

 

たとえば料理研究家の先生であれば、SNSやブログ、過去の著作を読み込む。そこから「凜としている」「大胆に盛り付けるタイプ」など人となりをつかみ、その人らしいお皿やカトラリー(ナイフやフォークなど)を選んでいくわけです。

Mr. CHEESECAKEのリニューアルも同じで、あらためてタムさんの経歴や発信を掘るところから方向性を固めていきました。かつてミシュランの星がついているレストランでシェフを務めていたこととか、「ミニマルさや機能美が好き」という嗜好とか、ですね。

  

スタイリングで「それとなく伝える」

こうした要素や世界観、あとオンライン販売のみで実店舗がないという条件をひっくるめて、キービジュアルでは「もしMr. CHEESECAKEがレストランで提供されたら」を表現しようと考えました。リム(ふち)の浅いお皿を使ったり、余白を持たせたりしているのも、レストランデザートのような雰囲気をもたせるためです。

 

 どこか北欧らしいニュアンスや、お皿のブルーにケーキの黄色がよく映えているのもポイントです。

よく見るとお皿は1枚ずつサイズも色合いも違って個性があったり、公式としてオンリーワンのビジュアルをつくりたかったことと、ひとつずつ人の手でつくっているものを使うことでMr. CHEESECAKEの作っている背景とリンクさせたかったんですね。

 

このように、ブランドのメッセージをそれとなく伝えるのもスタイリングの役割です。 

たとえば、Mr. CHEESECAKEは「だれかとシェアする」価値観を大事にしています。そこでクリスマス限定のフレーバーではお皿を重ねた上にケーキを置くことで、「これからみんなで食べるんだな」と伝わる、たのしい雰囲気を感じ取って欲しいと思い演出しました。

 わかりやすい表現を過度に使ったり、お膳立てしすぎたりしないように。気づいたひとにそっとメッセージを受け止めてもらえる、そんな表現を目指しています。

  

 スタイリングはセッションでもある

一般的に、食べもののビジュアルはななめ45度から撮影することが多いんですね。なぜかって、画面の情報量が多くなるから。そして、「おいしそう」を追究すると、どうしても寄り気味のカットになりがちです。

でも、「ななめ45度かつ寄り気味なカット」では、「おっ!」となりません。どこかで見たことがあるなって印象で終わってしまう。

なので、Mr. CHEESECAKEでは一歩引いて見たり、真上から撮ったりすることで、どこか新しさを感じてもらえるようなカットを意識しています。もちろんシズル感も必要なので、「美しさ」と「おいしそう」のバランスを考えながら、カメラマンさんと作り上げています。 

わたしにとってスタイリングは、カメラマンさん達とのセッションです。イメージをもとにお皿やカトラリーを集めておいて、あとは当日の天気による光の入り方や「感じ」で決めていく。デザイナーさんやカメラマンさんと話し合いながら、ベストを探っていく。決まった型にはめていくとどこか不自然になるし、それでは見るひとを感動させられないんです。

だからこそいいクリエイティブが生まれるんだと思います。

ちなみに、バレンタインフレーバーのpop-up restaurantイベントでは実際に「Mr. CHEESECAKE のレストランがあったら?」と言う世界観に浸っていただきたいと思い、バレンタインのときは本物のラベンダーやキャンドル、石のボードなど自然のものだけをふんだんに使いましたし、お皿はなんとオーダー品。とことん世界観に浸っていただきたくて、リニューアルで使ったお皿の作家さんに特別に製作してもらいました。

ほんとうに素敵なので、またみなさんにお披露目できるのをたのしみにしています。

 

力を貸したい、と心底思える仕事を

 フードスタイリストって、おいしいお店も流行も追いかけないといけないし、食器や植物にも精通している必要がある。勉強すべきことは多いと思います。

そんな大変さがあっても、素敵なものと出会うたびに心が躍ります。だからこそストーリーや背景がある、「力を貸したい」と思えるプロダクトに携わりたいって気持ちが年々大きくなってきていて。

そういう意味で、Mr. CHEESECAKEはシェフの田村さんや、作ってくださっているメンバーも「応援したい」と心から思えます。それに、「フルーツと香り。」やレシピの発信など世界観を届けるコンテンツも増えてきて、ますますおもしろくなってきました。

新しいコンテンツのスタイリングでも、いろいろ挑戦できそうでたのしみです。

 

木村遥 profile

foodstylist

広告、書籍、雑誌、webなどで食まわりのスタイリングを手がけている。

 

(取材・執筆:田中裕子)

  

Mr. CHEESECAKEは、毎週日曜、月曜の10時からのみ公式オンラインショップにて販売しています。

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Mr. CHEESECAKEに深く関わり、支えてくださるメンバーの想いやこだわりをご紹介する連載「私とミスチと。」

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Vol.2 質感と温度感。「Mr. CHEESECAKEらしいイラスト」はどのように生まれるのか?

 

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