Mr. CHEESECAKEのしつらいや、おもてなしの気持ちを体現。旗艦店「GINZA SIX店」で“おいしいをしつらえる”が体現されるまで

Mr. CHEESECAKEのしつらいや、おもてなしの気持ちを体現。旗艦店「GINZA SIX店」で“おいしいをしつらえる”が体現されるまで

Mr. CHEESECAKEは、JR東京駅構内の「グランスタ東京」に1店舗目の常設ストアをオープンしてから7ヶ月後、そして、2店舗目となる羽田空港店のオープンからわずか2ヶ月後の2025年4月、旗艦店として東京・銀座エリアで最大の商業施設「GINZA SIX」に常設ストアをオープンしました。

今回は、Mr. CHEESECAKEの複数の店舗づくりを手掛けられ、GINZA SIX店もご担当いただいたnegu inc.の永井さんと鶴田さんに、旗艦店としてGINZA SIX店にどのような景色を描こうとされたのか、その舞台裏を皆様にお届けします。

上質で洗練された銀座に織り込む、ブランドの世界観

Mr. CHEESECAKEにとって、GINZA SIX店はブランドのコンセプトや世界観を最大限に体現する旗艦店と位置付けています。

そんな旗艦店としての位置付けを、全店舗のデザインを手掛けてこられたnegu inc.の永井さんと鶴田さんは「これまで作り上げてきた店舗の空間コンセプトを総括し、Mr. CHEESECAKEのブランドイメージをより明確に確立していく役割を持つ店舗だと感じた」と語ります。

『Mr. CHEESECAKEにとって今後の店舗展開においても一つの基準となる場所であり、ブランドの思想や空間の在り方を示す重要なプロジェクトになると認識していました。

これまでの店舗で培ってきた空間の考え方を踏まえながら、
 Mr. CHEESECAKEの思想やブランドの在り方を、より明確に体現できる場所にしたいと考え、そのうえで、銀座という場所にもふさわしい上質さや洗練された印象を空間の中に織り込み、
 ブランドの世界観をより深く感じていただける場になることを意識しました。』

コンセプトは“おいしいをしつらえる”

これまでの店舗は、「チーズケーキをのせた大きな器」や「チーズケーキを納めた大きな箱」など、器や箱といった商品を“しつらえる”ための空間としてコンセプトを構築し、設計していただきました。

そもそも「しつらい」とは、漢字で「室礼」と書き、平安時代に寝殿造の住宅の母屋や庇に、ちょうどを立てて室内を飾り整えるという意味が言葉の始まりとされています。現在では「飾り付けること、設け整えることや装置」という意味や、あるいは「季節や人生の節目に合わせた書や花、物などを床の間や玄関、壁や棚の上などの場所に飾り楽しむこと」という意味で使われることがあるそうです。

これまでの店舗とGINZA SIX店で大きく異なる点は、カフェスペースの存在です。カフェスペースにもコンセプトを反映させるために、これまでのコンセプトの軸はそのままに、そこから少しスケールを広げた“おいしいをしつらえる”というコンセプトが誕生したそうです。

『これまでの店舗では、器や箱といった商品をしつらえるための空間として設計してきましたが、
GINZA SIX店ではカフェスペースも設けることから、人が過ごす空間までしつらえのスケールを広げることにしました。

チーズケーキの場とお客様の場を等価に扱い、空間として構成することで、より豊かな食体験を生み出せるのではないかと考え、盛り付けから空間、お皿やカトラリー、スタッフの所作など、食べるまでのさまざまな体験の積み重ねによって「おいしい」という体験がつくられる。

そうした考えから生まれている「世界一じゃなく、あなたの人生最高に。」というブランドコンセプトを、「おいしいをしつらえる」という言葉に再解釈し、空間として表現しました。』

空間構成から生まれるもてなしの気配

グランスタ東京店から一貫して守り続けている部分は、「チーズケーキと人の接点を丁寧に体現する文化そのもの」と永井さんと鶴田さんは語ります。

しかし、GINZA SIX店の“おいしいをしつらえる”というコンセプトを体現していく過程において、大きな課題に直面したそうです。それが、「しつらい」や「もてなし」の要素を、空間の中にどの程度まで取り入れるべきかというバランスの調整でした。

『「しつらい」や「もてなし」といった要素を、空間の中にどこまで取り入れていくのか、そのバランスを考える点は難しい部分だと感じていました。過剰になれば装飾的・商業的になってしまいますし、少なすぎると思想が十分に伝わらないため、どの程度の密度で空間に落とし込むべきかは慎重に検討しました。

今回の店舗では、お客様の食体験が店舗の中で行われるという点から、床の間*の考え方を取り入れて景色を整えることや、床を一段上げて奥まった空間を設け、場に切り替えを生み出すことで、もてなしの気配や招かれている感覚を自然に感じられる空間を目指しました。』

*床の間…和室の座敷において一段高く設けられた空間で、掛け軸や花、置物などを飾る「座敷飾り」の場。客人をもてなす空間として古くから日本の住宅建築に備えられ、現代ではインテリアをディスプレイしたり、季節の風情を楽しむスペースとして活用されています

そぎ落としたことで、生まれたメリハリ

一方で、予算やスケジュール、館の条件や法規など様々な制約の兼ね合いから、当初予定していた計画から変更せざるを得ない部分も。その中で、これまでの店舗に取り入れていた要素は残しつつも、各所の情報を整理しながら議論を重ね、現実的な落としどころを見つけていったそうです。

『今回カリモク家具さんに制作いただく什器は、GINZA SIX店ではさまざまな機能や要素を受け入れる場として、ひとつひとつのオブジェクトを丁寧につくり、それらを集積させていくことを意識していました。
 そのため、家具をつくるような感覚で什器を制作したいという考えを共有し、カリモク家具さんに依頼しました。

さまざまな制約の中で、本当に必要な要素は何かを改めて考え直し、デザイン要素をそぎ落としていったことで、結果として空間にメリハリが生まれたように思います。そうすることで、Mr. CHEESECAKEの洗練されたブランドイメージを、より純度高く体現できたのではないかと感じています。』

お客様の過ごし方に合わせることで生まれた、ふさわしい形

Mr. CHEESECAKEにとって初のカフェスペース付きの店舗であるGINZA SIX店。negu inc.の永井さんと鶴田さんは、「関係性を持ちながら全体としてひとつの体験をつくり出しているように見えた」と続けます。

『さまざまな機能を持ったボリュームの要素が相乗効果を生み、互いに引き立て合っているように感じました。それぞれの要素が単体で主張するのではなく、空間の中で関係性を持ちながら全体としてひとつの体験をつくり出しているように見えたのが印象的でした。

また洗練された印象の中で、Mr. CHEESECAKEの思想を体現したブランド初の旗艦店としてふさわしい場所になったのではないかと感じています。

複数の店舗を見据えたブランドづくりの中で、設計者としてこれまで築き上げてきたブランドコンセプトの軸はぶらさずに、
 立地や店舗の役割、お客様の過ごし方に応じて、空間の構成や体験のあり方、商品の見せ方などを柔軟に調整していくことが大切だと思っています。だからこそ、状況に合わせて少しずつアップデートしていくことで、それぞれの場所にふさわしい店舗のかたちが生まれていくのではないかと考えています。』

しつらいや、おもてなしの気持ちを感じられる場所に

およそ7ヶ月の歳月をかけて完成した、旗艦店のGINZA SIX店。

店舗に足を運んでいただくことで、空間構成やディスプレイ、料理など、さまざまな要素を通して
Mr. CHEESECAKEのしつらいや、おもてなしの気持ちを感じ取っていただけると思います。「おいしいをしつらえる」というコンセプトを体験として深く感じていただき、その時間が皆様の記憶に残るひとときとなりますことを願っています。

ー Profile ー

negu.inc
代表 永井健太
空間/エレメントデザイナー
空間とは、その場のモノ、光、音、時間、人、行為といった様々な要素の関係性によって認識される概念であり、これらの要素を複合的に知覚、整理し、構成することが空間デザインの本質と考えています。同時に、空間の構成要素のひとつである物質的なモノをエレメントと捉え、シンプルに丁寧にしつらえていくことで空間の中での正しい在り方を探求しています。身体性や人間の感覚といった普遍的な価値観と、その時代や文化といった背景を大切にすることで、永く愛される空間をつくりだすことを目指しています。

鶴田乃泉
空間デザイナー
人や行為と関わり続ける空間において、機能や条件といった制約を踏まえながら、空間のあり方を見極め、その場所や状況だからこそ生まれる価値を見出すことを大切にしています。そうした積み重ねを通じて、より豊かな体験につながる空間づくりを目指しています。

negu.inc

Mr. CHEESECAKE GINZA SIX店

場所:〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX B2F
営業時間:10:30〜20:30
カフェ営業時間:平日祝12:30〜20:30(L.O. 20:00)、土曜・日曜14:00〜20:30(L.O. 20:00)

GINZA SIX店

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