
レモンのおいしさを味わい尽くす“Lemon Collection”
じめっとした空気を一瞬で吹き飛ばす、柑橘の爽やかな香りとキレのある酸味。Mr. CHEESECAKE がこの夏届けるのは、レモンにフォーカスした 3 種の限定スイーツ 《Mr. CHEESECAKE Lemon》《RICH TIRAMISU Salty Lemon》《Week-end citron》です。今回も開発を手がけたシェフ田村が、そのこだわりをご紹介します。
シンプルにレモンを感じられる味を目指して
田村
「スタッフたちで話し合っていた際に『夏だからレモンがいいよね』という意見や『レモン味や酸味のあるものが好き』という声が上がりました。そこでレモン味のMr. CHEESECAKEを作ることに。「Mr. CHEESECAKE Lemon」は麻布台ヒルズで販売していたカップタイプのレモンフレーバーを、一本に仕立て直したものです。
Mr. CHEESECAKEのシグネチャーフレーバー「Classic」にもレモンを使っているものの、レモンの味を真正面から扱う機会はなかなかなかったので、今回は“レモンそのもの”をシンプルに感じる味を目指しました。
レモンの特長と言えば酸味ですが、酸味だけが増えても、おいしい味には仕上がりません。そこで酸っぱさ以外のレモンらしい特長を、どのように表現するかにこだわりました」
酸味、甘味、ほど良い苦味。レモンのおいしさをケーキに
田村
「使ったのは、広島県産のノンケミカルレモン果汁、三重県産のマイヤーレモンペースト、瀬戸内産レモンのピールの砂糖漬け、レモン果汁を濃縮しピューレ状にしたシトロンコンサントレ。まさに “レモン尽くし” です。
レモン果汁は、酸味と糖度と香りがあり、レモンらしい味わいをより引き立ててくれます。マイヤーレモンはオレンジとレモンを組み合わせた品種で、レモンらしい力強い香りと心地よい苦味が特長です。これらが酸・甘・苦のバランスを取ってくれるんです。
5mm角のピールをレモン果汁で一晩マリネして、砂糖を果汁で洗い流しながら香りと酸味を吸わせています。さらにオリーブオイルを少し入れて、レモンが潜在的に持つ青い香りを引き立てました。
水分が増えると生地が安定しないので、濃度のあるシトロンコンセントレで酸味を補い、ハチミツで華やかな甘さを足しています。まるで “レモンをかじっているようなケーキ” に仕上がりました」
作りたかったのは「夏のティラミス」。RICH TIRAMISU Salty Lemon
田村
「目指したのは “夏のティラミス” です。真っ白で、口溶けはムースのように淡い。マスカルポーネと卵白だけで、卵黄が入るチーズケーキよりも軽い仕立てです。
生地には広島レモン果汁とマイヤーレモンペースト、そこへフレッシュな青い香りを足すためにオリーブオイル。間に挟むダックワーズは米粉で焼き、台湾のスパイス“マーガオ”を入れています。胡椒の仲間ですがレモングラスのような香りで、レモンのニュアンスを底上げしてくれるんです。
焼く前に沖縄の塩を上面だけに振っています。甘味を支えるだけでなく、対比効果で酸がキリッと際立ちます」
レモン好きにはたまらないWeek-end citronを再解釈
田村
「パウンドケーキはパサパサしがち。そこで “レモンらしい酸味を感じつつ、しっとりとした舌触り” を目指しました。アーモンドパウダーを多めに使い、ヨーグルトも入れて水分量を上げています。さらに、焼き上がりにレモンシロップをかけました。
表面は、粉糖と果汁のアイシングだと冷凍と解凍に弱いので、粉糖に丸ごとレモンのフリーズドライパウダーを混ぜてまぶし、まるで“シュトーレン”のように仕上げています。この仕上げのおかげで、時間によって変わるケーキの表情を楽しむことができます。はじめはケーキの水分で一度しっとりと馴染みますが、常温に置いておくと表面の粉糖が乾いてしゃりしゃりとした食感に変わります。さらに数日たつと空気中の水分を吸って生地も糖衣もしっとり。熟成させることで、さまざまな味わいを楽しめるんです。
焼き菓子は卵やロースト香が強く、柑橘の香りを表現するのがとても難しいケーキです。そこで、マイヤーレモンペーストとピール、それにシチリア産アーモンドパウダーの杏仁のような香りでバランスを取りました。こちらもレモンならではの酸味を味わいたい方に、喜んでいただけるケーキに仕上がったと思います」
田村
「同じレモンでも、酸味の立たせ方、食感の設計でまったく違う表情になります。一本ずつでも楽しいですが、食べ比べてもらえるとより面白いはず。レモン好きにはぜひ試してほしいですね」
レモンの味を思う存分楽しめる、爽やかな3種類のスイーツ。この機会にぜひお召し上がりください。